村上春樹のススメ

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風の歌を聴け

風の歌を聴け

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1979/01
  • メディア: 単行本

村上春樹(1979年「風の歌を聴け」で群像新人文学賞、デビュー)と僕が出会ったのは高校生の時です。僕が1990年代(=いわゆる青春時代)に一番読んだ作家は間違いなくこの人です。一部の短編と翻訳以外の作品は全て読みました。文庫本になっている作品はほぼ全て持っています。今でもよくこの人の作品を読み返すことがあります。
僕は手紙の書き方や人との話し方、人との距離のとり方や社会との距離の計り方、そういうものをこの人の作品から学んだ気がします。もちろん直接的に指南してくれるような部分はありませんが、その作品群から感じることが自分に役立つという予感があったのだと思います。

羊をめぐる冒険 (上)

羊をめぐる冒険 (上)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1985/10
  • メディア: 文庫

もし、まだ村上春樹を読んだことがない人にひとつ作品を薦めるとしたら何を選ぶか、これはかなり頭を悩ませるところです。
僕は「羊をめぐる冒険」を薦めます。『僕』が登場する初期の代表的三部作のひとつであること、冒険モノ的なストーリーでもあり理解しやすいこと、比較的ウェットな雰囲気が少ないこと、がその理由です。近年の作品はちょっと精神世界的な要素が強いので、好みの問題で拒否感を覚える人もいると思うので。上下巻があります。

文章はいい、論旨も明確だ、だがテーマがない

これが村上春樹の文章の中で一番自分の中に残っているフレーズです(1973年のピンボール)。大学生の時にこの一行を読んでけっこうヘコんだ気がします。バブルが崩壊して良くも悪くもテーマの無い時代でした。

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