【や】~Yahoo!:PULL型メディアの伝道師

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Yahoo! JAPAN
ジェリー・ヤンがスタンフォード大学在学中にインターネットの分類型検索サービスを立ち上げた時、僕が友達として隣にいたら、「アホか、そんなの面倒くさい」と言ってとりあわなかっただろうと思う。


それが今やこのありさまである。


孫さんがどうこう言う前に、ジェリー・ヤンのこのアイデア無しに今のソフトバンクの母体となる事業は存在しなかった訳である。


電波、周波数(インターネットで言うURL)を数社の放送局が占有し、それがチャンネルという1~12(以上の場合もあるが)の整数に割り付けられ、プリセットBOXとしてデリバリーされているのがTVである。
TVという箱の中には既に決められたチャンネルというものがあり、その中から一つを選ぶと、こちらの時間の都合とは関係なく、番組表というタイムテーブルの元、番組がキャストされている。そう、PUSHされている。TVはPUSH型のメディアなのだ。


対して、インターネットはPULL型のメディアである。


同じディスプレイの中で表示される為にTVと混同され比較されるが、決定的に違うところがある。


それはURLだ。ブラウザーには何もプリセットされていない。放送局は無限に存在する。URLを打ち込めば、様々な番組を見られる。しかし逆に、番組を見つけてこないといけない。何を見てよいのか、何が良いものなのか、探す苦労がある。しかも、お気に入りの番組を見つけても、提供主の都合で更新が遅れていたり、勝手に打ち切られたりする。良くも悪くもPULL型なのだ。


PULL型のメディアにはナビゲーターが必要だ。「これが良いですよ」と教えてくれる、信頼できる人。目に入る全ての番組が信頼できるものとは限らないので、信頼できる人をナビゲーターに選ぶしかない。


つまり、PULL型メディアの特質として必ず発生するニーズに対する回答(=検索、厳選、分類、整理)を、早い時期に見つけ、具現化したのがジェリー・ヤンであり、Yahoo!だったわけだ。


情熱大陸で美輪明宏が「ホリエモンには文化がない」と言っていた。
「TVとは文化であり、インフラとは文明である。その違いに気付いていない。文化のない人が文明だけを武器にTVを取り入れようとしても無理だ」と。
なるほどな、と思った。


その話の延長上として、僕が思うことがある。


PUSH型メディアは文化なのではないか。
PULL型メディアは文明なのではないか。


そう考えると納得できる部分がとても大きい。
このことについてはまた、後日詳しく述べたいと思う。

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