ちょっとまじめな話。
出会い系サイトには、いわゆるサ○ラという仕事があります。
女性になりきって、男性の話相手をするわけです。
出会い系サイトで女性ユーザーの数が少ないというのは致命傷です。
「なんだ、出会えないじゃん」
と男性に思われたら、入会者が居なくなるからです。
お金を払うのは主に男性ですから死活問題です。
そこでサ○ラといわれる仕事で、男女のバランスを調整するわけです。
勿論、サ○ラといえども仕事ですから、真剣です。
ちょっとでも返事を怠っていると、どやしつけられます。
相手を怒らせたり退屈させたりして
返事をもらえなくなっても怒られます。
「お前サ○ラだろ?」
なんて突っ込まれたりしようものなら、大目玉を喰らいます。
だから返事は日々真剣です。
しかし、この仕事はある意味では、
人間を磨くのに役立ちます。
いくら自分に社会的地位があっても、
難しい文章を書くのが上手でも、
方程式を解くのが早くても、
サ○ラとなってメールを送る時には、そんなこと関係ないのです。
相手を退屈させるようなメールしか送れなければ、
ただの「つまんない女」「嘘っぽい女」なのです。
今まで自信を持っていた自分のスタイルを得意げに持ち出しても、
男性ユーザーに「そんな話つまんないよ」と一蹴されます。
いかに自分が偏った視点で話していたか、
いかにつまらないプライドにこだわっていたか、
いかに偏狭であったか、
そういうことを一瞬で見抜かれます。
シンプルなメールのやりとりには人柄が出ます。
「人の良さ」、「人の悪さ」は、隠してもにじみ出ます。
男性の大多数はエロ馬鹿です。
出会い系サイトの中では下心を隠す必要もないし、
本心、本能のみで行動するんでしょうね。
でも、だからこそ、純粋な目でこちらを見定めます。
そして、大抵の場合、その判断は、あまり間違っていません。
様々な人々の、色々な欲望や悩みが見え隠れして、
その誰かに自分を投影します。
もしかして、自分は他人に、こんなふうに映っているんだろうか…
そんなふうに自分を省みることもあります。
そんな訳で、サ○ラという仕事は、
人としての自分を高める作業にもなり得ます。
ある出会い系サイトの管理職は、
「雑談のできない奴は、ウチにはいらん」
「雑談のできない奴は、サ○ラの仕事ができん」
「結局そういう奴は、他の仕事も絶対にできん」
と言いました。
その話を聞いて以来、
僕は雑談のできる人間になろうと思いました。
あくまでも、僕の知ってる、ある職場の話です。
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